物語はどこまでも!



研鑽を重ねた技と体。その“結果”は確かめずとも己が身についているが、その発散場所はどこにもなかった。

『産まれる時代を間違えた』

勝てる見込みがない相手がいなかったのはもとより、そもそも“理由”がなかったのだ。

戦うべき理由がない。理由もないのに相手を殴ればそれは暴力となる。野々花の求める強さにとっては忌むべきことであろう。

しかして、今、ようやっと。

「来い!残る二つ目も潰してやろう!」

舞台上でスポットライトを浴びる主役のたるかのように、叫び、女傑は刃を手に取る。

使えなくなった左腕は破った衣服で固定した。ーーああ、なんという体たらくか、肉を切って骨を断たたれるなど武人としては三流以下。まだまだ自身は不完全な身であり、故に成長途中(完全)となる。勝てない敵とは、その踏み台にしか過ぎない。どこまでも自身は飛躍してみせる。何故ならば、