もう、幸せすぎて胸が苦しくなって、このまま死んでしまうんじゃないかと思う程だ。
「私も愛してます。離れてしまうけど、直ぐに会いに行くから。それまでは、一杯電話やメールをします」
その言葉に胸が一杯で、返事が出来ず、抱きしめる腕の力を強めた。
「ありが・・と」
搾り出すように一言言うのが精一杯だった。
俳優の道を目指した事を後悔した事は無かったが、人並みの幸せは諦めるつもりだった。
そんな自分が、最高の相手と巡り合えるなんて今でも夢のようだ。
あの、家族と断絶した時の自分に教えてやりたいと忍は思った。
この幸せが何時までも続くようにと強く願った。
完

