「何これ?」



自分の部屋に入り、違和感満載の部屋に唖然とした。


固まる私を無視して、平然と部屋に入っていく社長に私の怒りが爆発した。


ソファーに腰掛けた社長の目の前で仁王立ちをして社長を見下ろす。


社長が私を見上げニヤリとした。


私の顔が怒っているのは一目瞭然なのに平然と私を見上げている。


それどころか企んでいた顔をしている。



「健人、どういう事?」


「見ての通り。」


「勝手に引っ越しの準備をしないで!」



そう、私の部屋には段ボールの山が出来ている。引っ越しの準備をしていたのは間違いなく健人だ。



「週末は花菜の両親に挨拶に行く。俺が連絡をしておいた。」


「なっ、勝手に!」


「月曜は二人で引っ越しだ。勿論、楽々パックにしておいた。」


「健人!」


「前に約束しただろ?プロジェクトが終わったら引っ越すって。」


「それは……。」



確かに約束した記憶はある。でも勝手に引っ越しの準備をしないで欲しい。