二人で夜中の道を手を繋いで歩く。



「花菜、俺に言いたい事ないのか?」


「えっ?」


「まあいい。後で聞く。」



無言の社長に連れられコンビニで買い物をする。社長は長野さんにもおにぎりを買っていた。


社長と買い物を済ませ、手を繋いで会社に戻っていく。



「明日で終わりか?」


「えっ?」


「納期。明日だろ?」


「あっ、うん。」


「やっとだな。」


「です。だから今日も遅くなるから先に………。」


「一緒に帰るから。」



絶対に譲らない社長をチラリと見上げる。視線に気付いたのか、社長と目が合う。



「週末は花菜のマンションに連れていってやるから。」


「…………。」


「それに話もしよう。決めただろ?何でも話せって。」


「…………。」


「明日までは仕事に集中しろ。それからだ。話を聞くのは。」


「………うん。」


「花菜、俺には何でも話せ。」



それだけ言うと社長の手に少し力が籠められた。私は握られる社長の手を握り返した。