私から長野さんに視線が移動する姿を見つめた。



「長野、花菜が我が儘を言ってすまない。」


「いえ。」


「俺がコンビニに行ってくる。長野、何か食べるか?」


「いえいえ。」


「遠慮するな。花菜が世話になってるし。」



社長の目が笑っていない。私は社長に背を向けて仕事を始めようとしたが………。



「花菜、コンビニに行くぞ。それと郵便物は取ってきたから、今日は一緒に帰るぞ。」


「長嶺、帰れ。社長が待ってるだろ。」


「でも仕事が………。」


「長野、花菜に仕事はさせる。少しコンビニに行ってくる。」



不機嫌な社長の手が私の手と繋いできた。引っ張られるように席を立ち、コンビニへ向かう。


繋がれた手は強く握られている。



「社長?」


「コンビニだろ?買ってやる。」


「…………。」


「帰りは一緒に帰るから。」


「今日は……。」


「逃がさない。」



社長の強引な行動に仕方なくコンビニへ向かった。