社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編

葵に反論できない。



「葵、言い過ぎ。」


「花菜の為。元カレと別れた時でさえ、凄いダメージを受けてたでしょ?」


「あっ、そうだね。」


「社長と別れたら、あの比じゃないよ。花菜、きっとボロボロに傷付く。私はそんな花菜を見たくないだけ。」


「葵………。」



あゆみと葵の会話をじっと聞いていた。


確かに社長と別れたら、元カレとの別れとは比にならないほど泣くだろう。



「その時は俺が慰めてやる。」


「奥寺、本気か?」



藤村が笑いながら奥寺の肩を叩いている。



「本気。俺、長嶺となら上手くやっていけそうな気がするし。」



驚きに奥寺をじっと見つめる。ニヤリと笑う奥寺の顔に本気か嘘か分からない。



「なら、俺はあゆみ。」


「はっ?嫌よ。ってか藤村は遊び人なのに鈍感よね。」


「はあ?」



あゆみと藤村が言い合いを始めた。そんな二人にクスリと笑いが漏れた。



「長嶺、笑え。思い詰め過ぎるなよ。」



奥寺の言葉に笑みで返した。