「来週はマンションで過ごせ。再来週は会えないし。」


「…………。」


「俺とは一緒に過ごしたくない?」



健人さんを見上げる。淋しそうな表情をする健人さんに手に持つワインを一気に飲む。



「一緒にいたい。」


「そうか。」



私の一言で嬉しそうに笑う健人さんに覚悟を決める。


『今は一緒にいる。』


『先は考えない。』



私が出した答えだ。


別れなんて考えない。結婚なんて考えない。


ただ一緒にいたいからいる。



「明日、服とか必要な物を取りに行っても?」


「一緒に行く。」



当たり前のように返される言葉に、私から健人さんの唇にキスをした。


驚く健人さんにクスリと笑った。



「飲みたい気分。お代わりしても?」


「あっ、ああ。」


「健人さん、驚きすぎ。」



我に返った健人さんが口元に手を当てた。照れているのが分かる。


ワインをグラスに注ぎ、買ってきた惣菜を二人で食べる。



今は一緒にいたい――――。


これが答えだ。