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「ッ……ッ」


目が覚めると、いつも襲われる下腹部の痛み


昨夜はいつもより痛かったあの行為


「ッッ…」


この痛みで、どんどん自分が穢れていくのを実感する


コンドームも着けない彼は、いつも私の中で果てる


内腿を伝うのが何なのかは、保健体育の授業で習ったからよく分かっています


避妊もせずに、このままずっとこんなことが続けば、きっと…


私は彼の子ども身篭ってしまう


「ッ…」


怖い…


最初は彼の暴力が怖かった


けれど、いつしか私の体の中に生命が宿るかもしれない。そんな恐怖で頭の中はいっぱいだった


「………顔、上げれるか」


「……」


いつの間に入って来ていたのか、お盆を持った椿さんが私の側まで来ていた


彼はこの部屋へ入ると殴られるのを承知で、私にこうして世話を焼いてくれる


"ごめんな"


いつもそう謝る椿さんに、私はいつも顔を背ける


謝るのなら、ここから出してほしい。それが私の願いだから…


それでも、


「……」


私の腫れた顔を冷たいタオルで冷やしてくれる彼に、お礼を言わざるを得ない


そう、お礼を言いたい


でも、体が言うことを聞いてくれない


何をするのも億劫で動かずにいれば、いつの間にか体の自由が効かなくなっていた


視線を動かすのも面倒臭い


ジャラン


この重い鉄の鎖が外されることはないし、ここからも出してもらえない


こんな地獄みたいな生活がずっと続くのなら、いっそ…


いっそのこと、舌を噛み切ってしまおうかな


私が死んで困る人はいない


唯一、敦士さんは怒るかもしれない


そう思うと、なかなか実行できずにいる