「……ゆっくりで良いから食ってくれ…」


足の間に抱え、寄りかからせているが…、、


細ぇ……


今思えば、少し突き飛ばしただけで吹き飛んだ体だ


それがさらに小さくなってやがる…


ぬるくなった粥を口へ含み、カサついた唇へ口付けた


「ッ……ン…」


舌で奥まで流し込めば、コクリと喉を鳴らした


少量を少しずつ繰り返し与えた


「手当てしてやるから、少し待ってろ」


冷やすだけでもしとかねぇとヤベぇだろ…


細く弱々しい体を放し、開けっ放しにしてあった扉へ近付けば、


「椿!おらんのかっ!?」


何故か怒りを含ませて俺を呼ぶ親父の声が聞こえてきた


やべぇ…


このまま出て行くわけにはいかねぇ…


物音を立てずに後退すれば、華奢な体が俺の横を通り過ぎた


「ッッ…!?」


慌てて折れそうな腕を掴み上げ、咄嗟に彼女の口を塞いでベッドへ連れ戻した


「ッ……ッッ」


頼む……大人しくしてくれッ…


この部屋の存在を親父は知らねぇ


知ってんのは、持ち主である愛斗と、俺とこの子に飯を運んでいた組員1人だけ


この子が此処にいるとバレれば、俺も愛斗も……


「ッ……ふ、、」


ッ……


瞳いっぱいに涙を浮かべて、俺を見んじゃねぇッ


さっきみてぇに、動じねぇ人形でいてくれよ…


「……ッ……クソッ…」


粥で少し潤った唇を、今度は俺自身で塞いだ


「ッ……ッ!」


震える腕を押さえつけ、必死に呼吸しようとする口を犯す


最低だよな?


お前にとっちゃ、苦痛でしかないだろう


それでも、今バレるわけにはいかねぇんだ…


攻め続ければ次第に力が抜け、親父が過ぎ去った後には完全に堕ちていた


刺激が強過ぎたのか、こんな状況下だ。精神的にやられたのかもしれねぇ


「………すまねぇ…」


痛々しく腫れた目尻から流れる涙を拭いながら、俺はこんなことしか言えねぇ…


愛斗…、、お前は、いったい何がしてぇんだよ…


椿side終