「今日はねぇ、見回りがあってさ?」


"授業出なくて良い日なんだよね~"と楽しげに話す松坂さん…


増えてきた視線が痛くて、顔を上げることができません…


いつもの時間になろうって時に、私の目の前に車が止まった


松坂さんと同じ、真っ黒いテカテカの車…


糸夜さんじゃない…、、


「え、白ちゃんってもしかして……お嬢…?」


オジョウ…?


「下がれ」


何故か私の前に立ったミツキさん


「………?」


何だか険悪な雰囲気だけど、知り合いなのかな…?


「じゃあ白ちゃん、俺もそろそろ行くね~!」


"また明日ね~"と来た時同様、ぶんぶん手を振りながら校舎へ入って行った


松坂さん、、本当に賑やかな人です…


「誰だ」


今だ私と車の間に立つミツキさんが、車の中にいるであろう人に問いかけた


あの黒い膜を貼るのが、今の流行りなんでしょうか?


スーっと窓が開く音がしたけれど、ミツキさんの背に隠れてる私からは彼の背中しか見えない


だけど、姿は見えなくても声は分かる


「美依恋」


「っ…待てッ!」


止めようとするミツキさんを交わし、開けてあった窓から私の名を呼んだ彼に抱きついた


「危ないだろ」


だって、嬉し過ぎるから!


まさか、紺野さんが来てくれるとは思ってもみなかった