ーーーーーーーーーーーーー


「遅い」


いつかのデジャヴのように、私へそう言ったミツキさん


ゆっくり振り返れば、校門の真ん前には威圧感を神々しく放つ白い車が止まっている


窓ガラスには黒い膜が貼ってあって、外からは中の様子は見えない


それでも、ゾクりと変な悪寒が背筋を走る


見られてる、、絶対にあの人はあそこから私を見てる…


眼力の強い、クリーム色の髪をした糸夜さんが…


「遅い」


「ッ…」


冒頭より低い声で、次はないと脅される


"ごめんなさい"と口の形で伝えたけれど、伝わってはないだろう


今日も深く被ったフードで、きっと見えてはいないだろうから


一応、車へ向かって一例し、ミツキさんへ続いた


糸夜さんじゃなく、ここずっと送り迎えしてくれている安藤さんに対しての敬意


校舎へ入れば、さっきとは違う視線をバシバシ向けられた


皆と同じ制服を着ていても、真新しい制服の私たちは、やはり浮いてしまっているみたいです


「ミーた~ん!おっはよ~ん」


今日も朝から元気ですね、、


始業式から1週間


私と朗-ロウ-さん、ミツキさんはいつも3人で行動をしています


香取さんは"友達なんだから、名前で呼んで!"としつこく言うので、お互い好きに呼ぶことに


「ミーたん、アレ見せてー!」


またか、と溜め息を零すのは許して欲しい


ノートの端に、"次はしてくるって言いました"と書いて見せれば、


「酷いっ!友達が困ってるのに、冷たいよミーたんっ」


なんて、頬を膨らませる朗さんに、今度は深く息を吐いた


この1週間で分かった事が3つ


1、朗さんは甘えん坊の甘い物好き


2、ミツキさんは自由人で放浪癖がある


3、生徒会には逆らうな


毎日、濃い1日を過ごす中で、気を使って疲れることもしんどいことも沢山あったけれど、コレが高校生活と言うならば、案外楽しいものなのかもしれないと思い始める今日この頃です