「お帰り、ミーコ」


「おい糸夜!俺のミーに、なに勝手に触ってんだよッ」


「賑やかな人達ですね、全く…」


カウンターに座っていた猛さんの隣へ、やれやれと腰掛けた糸夜さん


夕方に迎えに来ると言っていた糸夜さんは、ミツキさんに連れられて校門まで行った時には、何故か車でスタンバっていた


「どうだったんだ?久々の学校は」


オレンジジュースを出してくれた敦士さんが、心配そうに聞いてきた


この商店街から出ることに、異常なまでに心配する敦士さん。だから、こうして毎回聞かれます


手の届くところにあるメモ帳を手に、ペンを走らせる


今日は、沢山伝えたいことがあるんです


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今日は、久々に香取さんに会えて嬉しかったです。
あ!後、名前が凛胴高校に変わりました。あとで預かってきた書類を渡しますね。
綺麗な凛胴高校は広くて迷いそうです。
でも、1番吃驚したのは、蒼い髪の…、、
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「ちょっと待て」


………まだ、書いてる途中なのに…


「りん、りんどう……」


「落ち着け、敦士」


私が書いた紙を取り上げた猛さん


「美依恋ちゃん、どういうこと?」


ま、また?


怖い目付きで見られても、もう負けませんよ!


"そんな目で見る糸夜さんは、嫌いです"


そう乱暴にメモ帳へ綴って、彼の前へ叩き置いた


力で従わせようとする人を、私は嫌いだと今日気づいたんです


「………」


「ミーコ。貰った資料を見せてくれないか?」


いつになく真剣な表情の猛さんにそう言われ、3回の部屋にある封筒を取りに行く


敦士さんと糸夜さんは固まったまま


敦士さんは分からないけど、彼には少し言い過ぎたかもしれません…


まだよくも知らない糸夜さんに、嫌いだなんて…


下へ降りたら謝ろう…かな……