「別に、とって食おうってんじゃねぇ」


…………そんな、怖い目付きで言われても、何の説得にもなりません…


う"……そんなに上から見下ろさなくても良いのに…


無言の圧力をかけられること数分


動いたのは副会長さん


「兎に角、上に上がろうか」


目立ち過ぎだ。そう言われて周りを見ると、凛胴の制服を着た人たちに囲まれていた


「チッ…」


だけど、ザワザワと煩い周りへ会長さんが1つ舌打ちをすれば、一瞬で静かになった


まさに、無音


流石、トップなだけあるんだなぁ…


「面倒臭い」


そんな静かな中で、透き通る様な綺麗な声がポツリ、零れた


バッと私の手を払ったミツキさん


「これで満足か」


「「「ッ……!」」」


ずっと深く被っていたフードを、そよ風が吹いたかのようにふわっと下ろした


私だけじゃない


その場にいた人は、想像もしていなかった"彼"の姿に、固唾を飲んだ


「面倒臭い」


ポツリ、、再度そう零したミツキさんは、今度は私の腕を掴んで歩き出した


「………お、おいっ!待てッ」


「えっ、待ってよ、白鷺ちゃーん!!」


副会長さんと香取さんには悪いですけど、今は、目の前を行くミツキさんから目を反らせない


きっと、離れていく凛胴の皆さんも見ているはずです


ふと見上げた青空よりも蒼い、彼の髪を…