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「もぉーさぁ、折角のお昼ご飯が台無しじゃんか!
時と場所と人を選んで欲しいよ、全くさぁー」


ねぇ、白鷺ちゃん!と、私に振る香取さんに呆気にとられつつも、確かにそうだなと頷いた


もう本郷の校舎へは戻れないと聞いた私たちは、勝手の分からない凛胴の校舎で、やっと落ち着ける場所を見つけたんです


フードの人も一緒にいたけれど、面白い香取さんとお昼ご飯を食べていたのに、突然現れた生徒会長さんと副会長さん


しかも、さっき気になっていた"コクヒョウ"なのかと問いただす会長さんの凄い威圧感に驚いて、ご飯も喉を通らなくなってしまったんです…


それでもしっかり食べ終わっていた香取さんが、冒頭の様に私たちの目の前に立つ2人へ投げかけた


「お前は黙ってな」


「ひっどー!じゃあ、関係ない僕達は帰ろっか」


副会長さんの一言に怒った様子の香取さんは、私のお弁当を片付けて腕を引っ張る


「おいっ!お前は残れ」


またしても副会長さんが叫んだ


振り返れば、フードの人が会長さんに腕を掴まれている


"コクヒョウ"が何なのか、私にはよく分からない


だけど、あのフードの人が"ミツキ"さんだということは知っています


「白鷺ちゃんっ!?」


香取さんの手から逃れ、ミツキさんを捕らえる会長さんの手を引き離した


「何なの、君」


そちらこそ、何なんですか、副会長さん。と言いたいけれど、私の喉仏は震えもしない


伝えたいのに伝わらない


こんなもどかしい想いをするのが、、


そうさせる自分自身に、本当に嫌になる…