あーー、疲れた…


普段、必要最低限でしか行動しないデメリットがここにきて効いてきた…


数100mでバテるなんて、ダサ過ぎて笑える


まぁ、、もっぱら情報収集が趣味俺には、これといって困ることもないけどね?


「黒豹か」


3人の目の前に立った陽向は、唐突に本人へそう告げた


ほんと、主語もクソもねいね…


見てみろ、、状況に追いつかない女がポカンとしたアホ面で陽向を見ている


周りも陽向に気づき、何事だと様子を伺ってる


「答えろ」


それでも、マイペースな彼には関係ないらしい


黄色は我関せずで弁当を食べ続けてるし、真ん中の女は大きな瞳を見開いたまま固まっている


確かに。榊が言うように"カワイイ子"だ


体育館へ入って来た時点で、かなりの注目を集めていたからな


表向きは誠実で清楚な凛胴だと言われているが、実際はそこらの10代と何ら変わらないだろう


むしろ、家庭での束縛が強い凛胴の生徒にとって、ここは"息抜き"の場に過ぎない


血に飢えた盛んな野郎どもがいる凛胴で、ふわふわしてそうなこの子は、今後大丈夫なのだろうか…?と、勝手に心配してみせても、俺には関係のない事だけどな


「おい、聞こえてんのか」


おっと、大事なのはこっちだった


今だ、フードの奴は俯いたままで、深いそれで顔は一切見えない


だが、イラついてるのは一目瞭然だった


何せ、片足がずっと貧乏揺すりしてるからな…


さて、そろそろ素顔を拝ませてもらおうか


子羽 怜side終