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子羽side


「あの子、どう思う?」


「………」


「俺は好きだな!あんなカワイイ子、初めて見たッ!」


「榊-サカキ-、お前は黙ってて」


何だよ怜ー!と叫ぶ榊は放っておき、窓際から校庭を見下ろしている陽向-ヒナタ-と同じ見線を辿る


中庭が見えるここは、生徒会室だ


下には、ベンチに座る3人組が、周りからの視線に狼狽えることもなく昼食をとっていた


「あんの馬鹿が」


ここからでも目立つ黄色い髪が、真ん中に座っていた女に何かを食べさせてもらっている


公衆の"眼"があるっていうのに、あんなアホ面を見せるなんて…


「アレが、黒豹か」


無言を突き通していた陽向が、眉間にシワを寄せながら俺へ聞いた


「8割そうだろうね。直接会ってはないから、まだ確かとは言えない」


「チッ…」


ここ最近、ずっと探し回っていた黒豹


まさか、隣の本郷通信高校にいたとは、灯台下暗しとはよく言ったものだな…


さて、、どうしたものかな?


お目当ての黒豹も見つかり、逃げられる前に捕らえておきたい


だが、そう易々と捕まってくれる相手でもない


「えっ……ちょっとちょっと、どこ行くのさ、陽向ぁー!」


榊の遠吠えに近い大声にハッとすれば、隣にいたはずの陽向が生徒会室から出ていくところだった


待て待て待て!


どこへ行く気だ?


下か?


アイツ、まさか黒豹に直に会うつもりじゃ…


「榊ッ、お前はここにいろよ!」


お前が来ると、余計にややこしくなるからな!


何でだよー!と階段まで響く榊に呆れながらも陽向を追う