ガヤガヤと賑やかになった周りに、どこかへ行っていた意識が戻ってくる


小雪先生は、話しが終わっていたのかいつの間にか居なくなっていました


周りの皆は、仲のいいグループに別れて何やら話し合っている模様


通信制の高校だから年齢はバラバラで、それに伴ってグループも年齢ごとに別れているみたい


私は1人でいるのが落ち着くから、どうでも良いことだけれど


「なぁなぁ、」


ふと、そんな声が近くで聞こえた


「白鷺-シラサギ-ちゃんってば!」


急に肩を叩かれたから、吃驚し過ぎて思わず飛び上がってしまいました…


「そんなに驚かなくても良いのに~」


傷ついちゃうなぁ~と、頬を膨らませている黄色い男の子


可愛い彼の名前は香取さん


クラスで、私が唯一覚えている人です


オレンジに近い黄色い髪の毛の彼は、この本郷通信で数回しか会わない人だけれど、いつも話しかけてくれる面白い人なんです


「もぉ~、白鷺ちゃんってば、雪りんの話全然聞いてなかったでしょー!」


「…………?」


小雪先生の話は、ちゃんと聞いていましたよ?


隣にある凛胴高等学校と合併するんですよね?


私の席の前にしゃがんだ彼は、チッチッチッと人差し指を横に振る


「凛胴ってね、良くない学校なんだよッ!?
お金持ちの坊ちゃん嬢ちゃんばかりじゃないって知らないでしょ!」


僕や白鷺ちゃんが苛められでもしたらどーするのー!?と、大声で叫んだ香取さんが面白くて笑ってしまった


私はともかく、香取さんが苛められることはまずないですよ


こんなに人懐っこくて、明るい香取さんは、きっとどこへ行っても人気者になれます