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敦士side


「で?ミーは大丈夫なんだろうなッ」


胸ぐら掴んでそう問えば、汚ぇ面近付けんなってどつかれた


仕方ねぇだろ…


ミーは俺の娘で、唯一の家族なんだ


例え血が繋がっていなくとも、俺はあの子の父親だ


「肩に打撲、足裏に縫合するぐれぇの傷。まぁ、時間が経てば跡形もなく消えんだろ」


「ッ………そう、か…」


薮がそう言うなら、確かだ


この男は、口は乱暴だが医者としては凄腕の持ち主だからな


ホッと一息ついたところで、店の扉が開いた


無言でずかずかと入ってきた長身の男


「美依恋はどこだ」


いやいや、着いて初っ端かよ…


「敦士」


「お、おい…
んなマジで睨むなよ……
ミーは上だ。今、糸夜が…」


おいッ、最後まで聞けよ!


「何を、そんなに騒いでいるんですか…」


溜め息混じりに降りてきた糸夜


その腕には、大事そうに抱えられたミーがいた


「これは紺野の…ッ…」


階段下で鉢合わせた奴に、ミーを取られた糸夜の顔!


クククッ…あの常に冷静な糸夜が、目ん玉飛び出そうなぐれぇ驚いてやがる


「敦士、酒」


「ッ…はいよ…」


やべぇ……


油断しってと、俺まで殺られる…