「おら、これ飲んどけ」


渡されたのは、錠剤の薬


先に下、行ってるからなと、消毒をしてくれた先生は出ていってしまった…


私も連れて行ってと、全力で叫んでみたものの気付いてはくれませんでした


「ねぇ、美依恋ちゃん。今更だけど、自己紹介しようか」


自己紹介……


「まずは俺からね?
名前は知ってると思うから省くよ。歳は、君の14も上の30歳。あ、おじさんだなって思わないでね?
血液型はABで、犬猫どっちかっていうと猫派
敦士さんとは10年来の仲でね。若い頃は、それはもうこき使われてね…」


私の目を見て、楽しそうにそう話してくれる糸夜さんに、思わず笑ってしまう


突然始まった自己紹介に、聞いてもいない情報まで淡々と話されれば、誰だって可笑しいですよね?


「ッ………!わら…、、笑った…」


綺麗な顔を固まらせた糸夜さんに、私って普段そんなに無愛想なのかと不安になる…


それにしても、この人も綺麗な…、、


いいえ。綺麗と言うよりも、可愛いと言うフレーズが似合う人ですね、糸夜さんって


その中でも1番気になった、クリーム色のふわふわの髪の毛


「ん?あぁ、これ?美依恋ちゃんと同じで、自前だよ」


「………?」


どうして、私の髪の毛が自然のものだと知っているの?


「ククッ……ほんと、可愛い…
敦士さんから聞いたんだよ。あの人、君の事が大好きだからね。いっつも"俺のミーが"って自慢するんだ
あまりに自慢してくるんで、時折潰してやりたくなったよね」


呆れたように言う糸夜さん


冗談だとは思うけど、ゾッと背筋が冷えた


それと同時に、震えた肩に違和感を感じた