「いいえ……
今日、改めて思い知らされました
美依恋は、掟なんてモノに縛れる女じゃなくなってしまったんです」


「……何が言いたい」


「今回の件でご理解したはずですが?
あの子はもう、敦士さんや猛さんが護れる幼子ではなくなったという意味です」


「それは…」


薄々は感じていた


日に日に美しくなるミーコを、俺は、、俺達は見守ってきたんだ


この狭い世界に閉じ込めておくのにも、そろそろ限界がきていたことも感じとってはいたが…


「もう調べはついていると思いますが、俺が発見するまで、あの子は松坂組に囚われていたらしいじゃないですか…
しつこく後をつけたのもご存知でしょう…
それでも、掟を守れと言うのですか?」


そうだ。と、胸を張っては言えねぇな…


今回の件で身に染みた


ミーコには、全てを……己の命をもかけてでも守ってくれる奴が必要だと…


「それでも糸夜、お前に美依恋はやらん」


2階から降りてきた敦士が、疲れきった面でそう断言した


「ハァ…、、まだ言いますか…
俺はいつになったら、認めてもらえるんですか」


そうだな…


何だかんだ言って、お前がいち早く気付いたんだったな


「15年……
15年も待ったんですよ。あの約束を今更、忘れたとは言わせませんから」


「フンッ…俺の娘は誰にもやらん」


「まったく…頑固ジジィは嫌われますよ。兎に角、これからの対策を話し合いましょう」


誰がジジィだと何だと騒ぎ出した敦士を交え、ミーコの今後についての会議が開かれた


ハァ………ミーコよ、、


俺ぁ、お前が幸せなら何だって良いんだ


だから頼む。今回みたいな寿命が縮まるような事だけは、もう勘弁してくれ…


猛side終