見せろ、見せない、の押し問答を何度か繰り返した頃、私の隣にいた糸夜さんが、しゃがんで、


「もし、ガラスの破片が刺さっていたら、そこからバイ菌が入って化膿するし、放っておいて足自体が壊死でもしたら大変だろう?」


椅子へ座る私と同じ目線でそう言われれば、流石にそれは嫌だと頭を縦に振る


「大丈夫だよ。このおじさん、こんな怖い顔をしてるけど、処置は的確で丁寧だから」


怖い顔は余計だ、と腕を組む先生を見る


「おら餓鬼んちょ、さっさと診せろ」


前かがみになった先生に、ここまでだと諦めた


ゆっくりと足を、用意されていた台の上へ乗せれば、勢いよく先生の膝へ持ち上げられる


「ッ…」


素早く脱がされた靴下


お気に入りのそれは、無様に破れていて…


「あー、、やっぱ刺さってんな…
麻酔すっから、楽にしてろ」


麻酔ッ…!?


「美依恋ちゃん。俺とお話ししようか?
んー、、そうだな…
あぁ、美依恋ちゃんが大好きな敦士さんの昔話、聞きたくない?」


敦士さん……?


それは凄く興味のあるお話しです!


「変な事喋ってみろ、沈められんぞ?」とガハハと笑う先生に、「大丈夫ですよ。既に恩は売っていますので」とニヤリと笑う糸夜さん


敦士さんと商店街の人達しか知らなかった私


この、クリスマスイブ、、


もう日付けが変わってしまったので、クリスマスですね…


そんな、世の中が浮き足立つ日に出会ったこの人達に、私は世界の広さを教えてもらうことになります


果たしてそれを知ることが吉となるのか、凶となるのか


ここからが、スタートです