「ッ……ハァッ…ッ…」


無我夢中で走っていれば、いつの間にかあの大きなお家からは出れていました


野太い声の人達に呼ばれた気もしますけど、立ち止まることはできなくて…


お昼前に商店街を出たはずなのに、外はもう日が暮れようとしていて驚きました…


寒い…


お気に入りの赤いコートは、車の中で黒髪に脱がされてしまったし、勿論、靴も脱いだまま…


ぶつかった肩はジンジンと痛みが強くなってきていて、泣きたいけどグッと我慢する


早く帰らなきゃいけないし、私も早く帰りたい


兎に角…ここから離れよう…


あの大きなお家が見える場所にいる内は、まだ怖い…


必死に冷たくなる足を動かして、光が灯り出した方へと急いだ


折角のクリスマスなのに…


どうしてこんなことになってしまったんだろう…


私がいい子にしていなかったから…?


だから、サンタさんも………お母さんも、いつまでたっても来てくれないのかな…