「ッ………!!」


苦しくて胸を叩けば、私の口内を更に自由に動き回られ、手足から力が抜けてしまった


何故、こんな事をするのでしょう…


折角用意してくれたご飯を食べなかったから…?


もう、どうにでもなれと流れに身を任せていれば、ドタバタと走ってくる音が聞こえてきた


「おいっ!」


バンッと扉を開けたのは、何処かへ行っていた金髪


「頭と影だけじゃねぇ。あの鷹まで動き出したらしいぞっ」


床へ押し倒されていた私と目が合った金髪は、更に眉間の皺を深くして、黒髪を引き離した


「ッ…ハァ、ハァッ…」


助かりました……


あと少しで、眠ってしまうところでした…


「頭が緊急集会を開くそうだ。盛る前に、やる事やれ」


低い声で金髪がそう言えば、さらに低い声で


「誰に命令してるのかな。俺が戻るまで、お前はここに残れ」


「っ……何でだよッ」


「命令だ」


「ッ…」


低い声に、凍えるような冷えた瞳の黒髪が部屋から出て行き、残った金髪は壁を蹴って舌打ちをした


蹴られた壁を見てみると、靴の先がめり込む程の穴が空いていた