サチさんが俺の顔に 背伸びして近づいたとき、 俺はサチさんの顔の前で 手のひらを向けた。 サチさんはハッとしたように 俺から一歩距離を置いた。 「ダメだよ、 付き合ってもないのに そんなこと しようとしちゃ。」 サチさんは黙って シュンとしてしまった。 そんなところを 少しだけ可愛いな、 なんて思ってしまう俺。