「いる、誕生日おめでとう!」


「覚えててくれたんだね」




まあ、いるは俺に言ってくれなかったからいるの友達に聞き回った。


いる以外の女子って苦手だけど、いるの為ならなんでも出来るもんなんだな。





「もちろんだろ?」


「ありがと!」




あと、事前に用意しといたプレゼントも。


本当はアザラシ見てるときにでも渡そうと思ったんだけど、今日は無理そうだしな。




「いる、生まれてきてくれて、ありがと」




そう言ってプレゼントを渡す。




「やったー!あーくんありがとう!見てもいい?」


「うん」


「わあ!可愛いっ!なにこれっ!?」




いるにあげたのは、アザラシの刺繍がしてあるハンカチとシャーペン。

日常的に使いながら少しでも俺を思い出してくれたらなーなんて、柄にもないことを考えながら俺なりに一生懸命選んだ。


やっぱり、いるには笑顔だよな。

これからは、いるを泣かせない。



そう心に誓った…。