君の声が、僕を呼ぶまで

また、勢いを失速させ、口をパクパクさせる。

興奮気味に捲し立てていたので、頬が更に紅潮して、涙は今にも零れ落ちそうだ。



…やっぱり、思春期の子供は面白い。

……でも、桜子がこうなのは、何か面白くない。



後ろからカーテンで包んでいた桜子を、パッと解放した。

ようやく身体が自由になった桜子は、今だとばかりに、反撃体勢に移る。


「もぉ、それこそ、雪兄ぃには関係ない…で…っ」

俺に向かって振り上げた右手を、左手で軽く受け止める。


そのまま、右手で桜子の口を塞いで、ベッドへと押し倒す。


「さっきはバカにしたけど、こんな漫画みたいなシチュエーション、本当に起こせるんだな」

俺は、桜子を見下ろしながら、笑った。