君の声が、僕を呼ぶまで

「…あれ?」

桜子が持ってたプリントが落ちている。


いくら、先生としての俺の事が気に食わないからって、床に放り投げて帰ったりはしないだろう。

もし、本当にそんな事したんだったら、全校生徒の前でからかってやるけど。


俺も大概、大人気ないんだよな。

あいつが、俺の事を先生って認めたくないのも分かるっちゃ分かる。


「よっと」

落ちていたプリントを拾い上げると、また一つ、違和感に気付く。


俺、桜子の事になると、勘は鋭い方だと思う。

ベッドの背後にまわり、不自然に閉まっているカーテンに手を伸ばす。


「なぁにやってんの?」

「…っひゃぁっ!」