あの頃はクラスの女の子と、ヒソヒソ恋バナで盛り上がるのが楽しかったな。

「華ちゃん、可愛いから、絶対だいじょうぶだよぉ」

女の子がお互いにそう言い合うのは、今も昔も変わらないんだよねぇ。


でも、華の恋が実る事って少なかった。

自分で言っちゃうけど、クラスの女子が「可愛い」って言ってたのは、そこまでお世辞じゃなかったんだけど。

客観的に見ても、華は、可愛い方だと思うし。


「陽ちゃん、またふられちゃったよ~」

その度に、陽ちゃんに泣き付いてた。

「俺に言われても困る、引っ付くなよ!」

「華の騎士の自覚が足りなぁい」

「それは、お前が勝手に決めたんだろ!」


後から分かったんだけど、やっぱり周りには、華と陽ちゃんが付き合ってるって思われたみたい。

そこは客観的に見れてなくて、気付かなかったなぁ…。

本当の本当に、華は陽ちゃんを好きになった事なんてないのに。

そして、それは陽ちゃんも同じ。


この2つは、互いが互いを主観で見ても客観的に見ても、ずっと変わらない事実。