君の声が、僕を呼ぶまで

「陽太君は、華ちゃんの王子様だね」

寝る前に、ママが絵本を読んでくれながら、そう言った。

「華がお姫様?」

「そうそう」

「じゃあ、華は、大きくなったら陽ちゃんと結婚するの?」

「それは、2人で決めればいいのよ」

うーん…って、考え込んだっけ。


「華は、陽ちゃんと結婚したいって思わないなぁ」

「華ちゃんってば…。じゃあ、誰と結婚したいの?」

「背が高くて、優しくって、白いお洋服が似合う王子様!」

これは即答した記憶がある。


「やっぱり、華ちゃんは、白いお洋服が好きなの?」

「みんなと遊ぶ時は泥んこのお洋服がいいけど、華は白いドレスを着たお姫様になるの! だから、王子様も、白い洋服の人がいい!」

「そっかぁ、ママも楽しみ」