他の鬼の子達は、どんどん仲間を増やしてるに、華と陽ちゃんは、まだ2人っきり。

「陽ちゃん、ごめんね」

「早く誰か捕まえないと、また2人ってからかわれるから、頑張ろう!」

きっとそれも本心だったんだろうけど、陽ちゃんは華を責めなかった。


どんどんと逃げる子が減っていき、増殖した鬼の網で、追い込み漁みたいになっていく。


「つっ…かまぇたぁ!」

そのおこぼれに預かって、逃げていた男の子をタッチした。


「お、華、やるじゃん!」

「へへー!」

その子を加えてやっと3人になったけど、足並みが揃わなくって、すぐに転んだ。

先生が慌てて飛んできたっけ。

「山崎さん、大丈夫? 怪我してない?」

「うん、だいじょうぶ!」

3人とも、体操服に、お揃いの泥んこがついて、それが妙に嬉しかったのを覚えてる。