手つなぎ鬼のペアは、最初、3組作られた。

華は、じゃんけんで負けて、鬼になる事が決まってたんだけど。


問題はペアの組み合わせ。

「華ちゃんと鬼になったら、思いっきり走り回れないもん」

他の子達が言った。

子供って、何でも包み隠さず正直に言うよね。

大体の場合は、それが許されちゃう。


華は、小さい頃は、いっぱい我慢してたと思う。

「残念だなぁ」「仕方ないなぁ」って思う事はたくさんあったけど「嫌だなぁ」って思う事は、ほとんどなかった気がする。

だからその時も、ちょっとだけ「悲しいなぁ」っては思ったけど、その子達の事を「嫌だなぁ」っては思わなかった。

困ってたのは、そりゃそうだろうけど、先生だけだったっけ。