「さっきの男の子…あぁ、今時珍しくハンカチに名前を書いてるね。飯田智秋くんだって。新入生名簿でクラスを調べて、ハンカチも洗って返しておこう」
あとから、彼は同じ1-Cだと先生に教えて貰ったのだが、結局私は中学の時と同じ。
1年間教室に顔を出す事はなく、彼と会う事はなかった。
それよりも、その時の私には、一度にたくさんの事が入ってきていて。
一度にたくさんの…塚原先生の事だけが入ってきていて。
そのバツが悪そうな視線に気付いたのか、先生が言う。
「誰も怒ってないから大丈夫だよ」
え…?
「いつか、そうだな、卒業しておじいちゃんおばあちゃんになった頃に同窓会にでも顔出して彼と再会出来たら、その時に小春ちゃんからも、ありがとうとごめんねが言えたらいいね。とは思うけど」
窓際の先生が、優しく微笑む。
その後ろで、桜の花びらが舞っている。
あとから、彼は同じ1-Cだと先生に教えて貰ったのだが、結局私は中学の時と同じ。
1年間教室に顔を出す事はなく、彼と会う事はなかった。
それよりも、その時の私には、一度にたくさんの事が入ってきていて。
一度にたくさんの…塚原先生の事だけが入ってきていて。
そのバツが悪そうな視線に気付いたのか、先生が言う。
「誰も怒ってないから大丈夫だよ」
え…?
「いつか、そうだな、卒業しておじいちゃんおばあちゃんになった頃に同窓会にでも顔出して彼と再会出来たら、その時に小春ちゃんからも、ありがとうとごめんねが言えたらいいね。とは思うけど」
窓際の先生が、優しく微笑む。
その後ろで、桜の花びらが舞っている。


