君の声が、僕を呼ぶまで

「そして、こちらが相川小春さん」

雪人先生が私の背後にまわり、両肩に手を置いて、紹介を始める。


「実は小春ちゃんには、重要な機密事項があるんだ…」

先生が、低く、神妙な声で言う。


「え、何…?」

釣られて華ちゃんも、慎重な声色になる。

「聞いたら後戻り出来ないよ。それでも…聞きたい?」


華ちゃんの唾を飲む音が聞こえた。


「…うん、聞きたい…」

覚悟を決めたらしく、華ちゃんがゆっくりと頷く。


「覚悟はいいね、実は…」

先生が、一呼吸置く。


そして…