「沙羅ちゃん、美人さんだねー」

「俺には、綺麗っていうより、可愛く見えるけど」

「陽ちゃん、面食いだったんだ」

「あー、確かに最初は一目惚れだったけど、性格も可愛いぞ」


「ねぇ、言ってて恥ずかしくないの?」

ワンテンポ空けて、華が、珍しく真顔で聞く。


「…恥ずかしいです」

ほんと、何語っちゃってんだか。


でもまぁ、華相手だと、話しやすいってのはある。

何やかんや、長年一緒にいるだけの事はあるんだろうな。


「ほら、保健室、着いたぞ」

「うんっ」


…あれ、さっきの校門前と違って、緊張した様子が見られない。

むしろ、どこか少し嬉しそうな…