君の声が、僕を呼ぶまで

「陽太先輩?」

そんな事を考えていたら、予想外にも沙羅の方から声をかけてくれた。


…やばい、華、ごめん。

それでも嬉しいもんは嬉しい。


「お、おはよ、沙羅」

「おはようございます」

「あ、えっと、こっちは昨夜話した幼馴染の山崎華で…」


聞かれてもないのに、慌てて華を紹介する。

やましい事はないとはいえ、何だかやましい気がする。

…華が、俺にピッタリ引っ付いているせいで。


「陽ちゃん、誰?」

少しだけ、警戒心を漂わせながら、華が尋ねる。


「あー、えっと、部活の後輩で、昨日お前にも言った…」

「彼女さん!?」


急に華の顔と声が明るくなる。