君の声が、僕を呼ぶまで

「はぁ~あ、陽ちゃんの彼女さんは苦労するね~」

「お前より、全然手ぇかからないから、ご心配なく」


そうだ、沙羅は可愛いだけじゃなく、こんなに甘ったれてない。

あ、全然手がかからないっていうのは違うな。

こないだも、足挫いてたし。


そういう、しっかりしてそうで危なっかしいところも可愛いんだ。


「あら、彼女さんも陽ちゃんみたいに可愛げないの?」

「そろそろ殴ってもいい?」

「暴力はんたーい!」

俺が拳を握りしめると、華は、きゃっきゃと笑いながら、数歩距離を取る。


「ほんと、彼女さんは陽ちゃんのどこがいいんだか」

「どこってお前…」