君の声が、僕を呼ぶまで

「陽ちゃん、おっはよぉ~」

約束通り、7時に華を迎えに行った。


「陽太君、ごめんね。華がワガママ言ったんでしょ?」

「いつもの事ですから」

久しぶりに会う華のお母さんが、ちょっと申し訳なさそうな顔をするので、肩をすくめておどけてみせた。


「そうだよ、ママ。華のワガママは今に始まった事じゃないでしょ」

「何、自慢げに言ってんだよ…」

「へっへーん」


「はぁ…ちゃんと新しい友達、出来るのかしら」

「一応、1年の時の友達はいるし、まずは保健室でならしてくんでしょ?」

「そうなんだけどねぇ…」


華のお母さんは心配性だ。

まぁ、(一応これでも)病弱な娘の親だから、過保護になる気持ちも分からなくはない。


「とにかく、はしゃぎすぎないように気を付けること。また入院になったら、今度こそお母さんの心臓の方が止まっちゃうわ」

「分かってるって、じゃ、いってきまーす」