そこには、こう書かれていた。



『あいつ、このへんじゃあ有名な政治家の息子なんだ。

だから、あいつが誰をいじめても、誰も何も注意しないってわけ。

どんな事件が起きても、すぐもみ消される。

あの二人が、職員室であいつが転校生とそのお姉ちゃんを殺したって、先生に言ってるのを見たんだ。

多分、そのせいで二人は転校させられたんだと思う。』



そうだったんだ………知らなかった…。


だから、先生もあの男子には何も注意しないんだ。


ということは……私はあのとき、転校生がいじめられているのを止めていたら……。

今度はまた私がいじめのターゲットにされて、私が殺されていたかもしれない……………。


私は、ノートの切れ端に


『あのとき、私を止めてくれてありがとう。

よかったら、友達になってくれない?』



と書き、唯也に渡した。