『……』


私は、何も言えなかった。

何もできなかった。



それから何日か経ったときのこと。



いじめられていた転校生と、その姉が死んだ。



二人は、事故に遭って死んだらしい。


それから数日後、図書委員だった私は図書室の受付で本を読みながら座っていた。


私を入れて、図書室にいるのは同じクラスの女の子二人の三人だけだった。


クラスの女子二人ががひそひそ話をしていた。


『ねえ、私見たんだ…………二人が死んだところ』

『えっ、本当に!?』

『実はね………あの二人、事故で死んだんじゃないんだよ』

『どういうこと?』

『あのね……二人共、○○君に突き飛ばされたの』


いじめっ子の男子の名前が出てきた。


『○○君が、二人を赤信号の横断歩道に突き飛ばすの、私この目で見たの…』