だけど、彼の姿ははっきりと覚えている。

汚い服装。

何日も洗っていないようなボサボサでべっとりとした髪の毛。

ガリガリの体格に、小さな身長。

ニキビだらけの肌に、福笑いをしたみたいな顔のパーツ。


時折、「ケケケ」と笑う気味の悪さ。


不潔・不細工・不気味の最悪の三拍子が揃っている。


当然、いじめのターゲットは私から彼へ移動した。


私へのいじめが終わったのは嬉しかったが、転校生がいじめられているのは少し気がかりだった。


ある日の朝。


『気持ち悪いんだよ!』

『風呂くらいちゃんと入れっての!』

『なんで貧乏のくせに学校来るんだよ!死ね!』

『しーね!しーね!!』


あ……また…いじめられている、あの転校生。