私は体についた煤を払いながら、暖炉から出た。

希夏ちゃんは肉を食べるのに夢中で、私のことなんか視界に入っていないらしい。


とりあえず、この館の中をちゃんと調べなくては。

一階は昨日ある程度調べたので、一階の残りの部屋と二階の部屋を調べよう。

紫織ちゃんの部屋にはおそらく紫織ちゃんがいるはず。

さっきのジーパンの人は...多分厨房だろうな...。

紫織ちゃんの部屋と厨房には絶対に近づかないようにしよう。


執事さんは…どこにいるかわからないから、注意が必要だな…。


私は意を決して、食堂の扉を音を立てぬようゆっくりと開き、館の探索を始めた。


まずは前回調べた管理室の隣の部屋だ。

部屋の扉を少しだけ開け、誰もいないことを確認した後、素早く部屋に入る。