「希夏…ちゃん」


いつもの希夏ちゃんじゃないのは、見て明らかだ。


「ああぁ…ああ…おいしい……オイシイ……」


そこへ、何者かの足音が聞こえてきた。

恐らく、紫織ちゃんか執事さんのものだろう。


「あっ、えっと…!」


私は、思わず暖炉の中に身を潜めた。

中は煤が溜まっていたが、入ってしまった以上、ここで出ることはできない。



コツコツコツ……………。

キイ……。



足音の主が、食堂の扉を開く。