「開けて!いるんでしょう!?

早く、早くここを開けなさい!!開けなさいよぉおおおぉおおおぉおぉぉおおおおおおぉぉおお!!」


この声は…。


急いで玄関へ向かい、紫織ちゃんが扉を開けると、そこには汗を大量に噴きながら、恐ろしい顔で仁王立ちしている希夏ちゃんの姿があった。

いつも美容に気にしている希夏ちゃんのメイクが、汗でぐちゃぐちゃになっていた。


「あらいらっしゃい、希夏。今日は一体どうしたのかしら?」

「………のよ」

「え?」

「お腹が空いたって言ってるのよ!!」


そう叫ぶと、希夏ちゃんは真っ直ぐ食堂へ向かって走り出した。


「ちょっと、希夏ちゃん!」


私達は、希夏ちゃんを追って食堂へ駆ける。