私は、紫織ちゃんのほうを見る。


「どうぞ、ご自由に」


笑顔で、紫織ちゃんはそう言った。


「だってよ」


そう言って、俊秀は本棚を調べ続けた。

私も、俊秀と同じように本棚を調べてみたが、特におかしいところはなかった。


「おかしいな…絶対あると思ったのに」

「いいから、もう出よう」


図書室を出て、次に隣の部屋に入った。


「ここは、管理室よ。

と言っても、ただ部屋の鍵を置いているだけだし、特に普段から鍵をかけている部屋はないから、あまり意味ないけれどね。

それに、マスターキーはいつもじいやが持ち歩いてるの」


と紫織ちゃんが説明してくれた。


「ここも、調べていいか?」

「ええ、どうぞ」


紫織ちゃんの了解を得た俊秀と私は、管理室を調べ始めた。