「そっか……。

あっ、じゃああの執事さんは?

あの執事さんなら、何か知っているんじゃない?」


「じいやのこと?

多分、じいやも二人がどこへいるかは知らないと思うけれど……。

一応、あとで聞いてみるわ」

「うん…よろしくね」


口ではそう言った私だが、内心、私は紫織ちゃんのことを疑っていた。

この館で消えた人は、知っている限りでも四人いる。

南形先輩と相模と、それに唯也と茉美…。


二人までならまだ偶然だと言えるが、四人となると、偶然という言葉では済まされない。


この館に何か秘密があることは、すぐわかる。


そして、紫織ちゃんが何か隠し事をしていることも。