その日の調理実習は、酢豚だった。

私の班は私、希夏ちゃん、俊秀、敏、相模の五人だけれど、相模は欠席なので、四人で調理することになる。


「あー?全く手順がわからねえ...」

「これってどうするの?」

「もう難しい!やりたくない」


いつも、相模に全て任せていた私達は、グズグズ。

そもそも、敏が相模に目をつけ、私達が相模に嫌がらせをするようになったのは、相模が遠足のバーベキューで、調子に乗ったのが理由だった。

いつも目立たない生徒だった相模。

しかし、彼は料理同好会の会長で、とても料理が上手だった。

だから、バーベキューでは彼が一番働いた。

そんな相模は、何もせずに肉を食べていた敏にこう言ったのだ。

『何もしていないくせに食うな』

と。