「敏はどうする?」

俊秀の問いかけに、私は首を振った。

「ダメダメ。

あいつ、今日は確かに塾だよ。

誘ったら、私達が酷い目に遭うよ」

「じゃあ、今日の放課後俺達二人だけで館に行こう」


話はまとまった。


その日の授業は、全然集中できなかった。



茉美...唯也...二人とも、何があったの?

相模や南形先輩はともかく、友達の二人と連絡が取れなくなったことは、私を不安にさせた。

そして、あの館...。

やっぱり、何かあの館には秘密があるに違いない。

客人を美味しい食事で誘い込み、そしてスキを見つけて殺し、近くの山か森にでも捨てているとか...。

いや、もしかしたらあんな大きな館なのだから、秘密の地下室があって、そこで皆を監禁しているのかもしれない。