緒川敏(オガワハヤ)...クラスで最も強い権力を持つ者。

いつも強気でわがままな希夏ちゃんが媚びへつらうほど、彼の権力は凄まじい。

一年なのに、もう男子バスケ部レギュラー。

父親は警察のお偉いさんで、誰も彼に文句は言えない。

同級生はもちろん、先輩も、先生も。


彼が一年生にして現生徒会の座を手に入れることが出来たのは、そういった理由からだろう。


「ちょっと〜、それは言い過ぎだって!」

「本当のことだろ?」

「そうだけどさぁ、本当のこと過ぎて笑える!」


そう言って、希夏ちゃんはお腹を抱えて笑い出した。

相模は、憂鬱そうに俯いている。


あーあ、可哀想に。

でも、アンタも悪いんだからね、相模。

アンタが遠足のバーベキューで調子乗ったマネするから、こんな目に遭うんだよ。