「ちょっと茉美!
またこの館に来るつもりなの?」


希夏ちゃんが、声を荒げて言う。


「そうだよ…やめておいたほうが…」


と私も言いかけるが、


「ま、別にいいじゃねえか。

茉美がそうしたいって言ってるんだし、紫織もいいて言ってるんだしさ」


と敏が言ったので、私達は黙った。


「絶対、約束だからね!

そうね…明日は土曜日だし、明日また来るね!」

「ええ、わかったわ。

皆もどうかしら?」


紫織ちゃんがそう言って誘ってくれるが、


「いいよ、私は別に……」


と私は断る。

俊秀と希夏ちゃんも同じように、


「そうだな…俺も遠慮しておくよ」

「そうね、土曜は予定があるし、私もパス」


と言った。

敏はと言うと、つまらなさそうに扉の前であくびをしている。