「とっても素敵なお家よね~。

一度でいいから、ここに住んでみたい………」


ベッドにどすんと倒れこみ、茉美が呟いた。

茉美の気持ち、少しわかるかも。

私も小さい頃は、こういうお姫様みたいな部屋に憧れて……七夕の短冊に、『おひめさまになりたい』って書いていたなあ。


でも、今はあの時ほどお姫様に憧れを抱かないし、茉美ほどはしゃぎもしないけど………。


「ここに住みたいのなら、泊まってみます?」


と紫織ちゃんが茉美に近づく。


「えっ!いいの?」

「ええ、もちろんよ。

夕食も朝食も、ちゃんとご馳走するわ」

「本当に?ラッキー!

あ……でも着替えとか持ってきてないし……。

また今度でもいい?」

「ええ、構わないわ」